なんだか気持ちが沈む。新しい号を出すとだいたい決まってこうなる。次のことなど考えられない。
深刻なスランプに陥るのを恐れる。それを避けようとしてかの、ここ数日。エトセトラ。
木曜日
郵便受けに「読者カード」がきていて、気持ちがはなやぐが、ごうださんからとわかってがっかり。ただ、書いている内容が面白いので「座布団一枚」。原文ママで掲載してやるぞ!と脅そう。
金曜日の夜。
ごうださんと夕食。
阪急梅田で落ち合ったとき、ふたりとも眼鏡でリュックを背負っていて、並んで歩くことに抵抗を感じる。どう見ても怪しい。リュックのアラフォーなんて。くだらない話ばかりして、特になんのヒントも得ることができなかったけど、「くだらない」という感覚をおもいだす。
土曜日昼。
Mさんと富士正晴記念館へ行く。いま、記念館では「富士正晴が編集した久坂葉子の本たち」展Ⅱが開催中。
Mさんと中尾さんの文学談義に耳を傾ける。太田順三の話、富士さんの本に、函があるか、ないか、などの話。このひとたちは本当に「ブンガクが好き」なんだなあ。
そういう気持ちがたいせつだ。だれにどうおもわれるかなど気にしてるわたしは不純だ。
土曜日夕方。
阪神電車に乗って、「街の草」へ。
あいかわらず、店の前まで本の洪水。二号から三号への長いスランプに、街の草で『帖面』に出会う。その正方形の誌面をみたとき、なんか作れるかも、という気になったのだった。本の洪水を崩しながら、話す。
加納さんの声は、相変わらず、やさしい。
二十歳のころ、同級生の女の子に『ジョヴァンニ』を借りた思い出を話してくれた。
岩阪恵子第一詩集にして、ただ一冊の詩集。二十二歳の詩集。
文童社から出たその詩集はたしか、「自費出版だった」と随筆に書かれいてたと記憶している。
その同級生の女の子は、三月書房で『ジョヴァンニ』を買ったそうだ。
二十二歳の若い若い詩人の自費出版の詩集を、それほど年のかわらない女の子が三月書房で買う、そんな時代があったんだなあと、そうおもうと、暮れかけた空のした、こころのなかにあったへんな固まりが溶けていくようだった。
加納さんは投函していなかった手紙を、手渡してくれた。
七時を過ぎてもまだ明るい武庫川駅のホームで読む。寒い冬に『ジョヴァンニ』を借り、コンクリート打放しのサークル室で読んだ思い出はそこにも書かれいた。
加納さんは「その詩人が「七十年近くをなんとか生きてきた。」と書いている」ことを驚いているようだった。
岩阪恵子を加納さんが「詩人」と書いていることが泣けてしかたがなかった。
見たこともない『ジョヴァンニ』という詩集をおもう。
寒い冬に『ジョヴァンニ』を読んだ加納さんと若い若い詩人・岩阪恵子をおもう。
加納さんの思い出を、その声で聞けてよかった。街の草へ行ってよかった。
2014年4月20日
ぽかん4号を出します。
「ぽかん」4号を出します。
発行日は4月21日としましたが、すべて揃うのは、4月下旬以降になります。
発行日は4月21日としましたが、すべて揃うのは、4月下旬以降になります。
「ぽかん」4号目次 縄文の骨 昭和の泡――二〇一三年一三句 小沢信男
発掘 山田稔
編集の生理――わが出版記 涸沢純平
本を、捨てる 木村浩之
多喜さん漫筆 (四)――尾籠な談義 外村彰
木山捷平様 田中美穂
電話 岩阪恵子
父のチェーホフ(一)1928年、湯浅芳子 扉野良人
豪快なひと――中川六平さんのこと 鹿角優邦 千代田区猿楽町1-2-4(其の二) 内堀弘 付録 ぼくの百 福田和美 付録 「のんしゃらん通信」vol.2目次
街角のコーヒーショップ 高橋実果子
観覧車めぐり 里舘勇治
ライフとワークがハローとささやく 郷田貴子
咳について 濵田多聞
そんなにはやく歩くと 秋葉直哉
猫と辛夷 渡辺尚子
あと、「ぽかん」3号に寄せられた読者の声をまとめた「こないだ」1号も創刊します。
2013年12月14日
ぽかん別冊『昨日の眺め』
恵文社一乗寺店で開催される「冬の大古本市2013-2014」への参加を記念して作成しました。
http://hunting.kotobayo.tv/
古本市に出ます、と簡単に返事をしたはいいが、家に本があんまりないなあ、と困りました。そうだそうだ、と頭にうかんだ4組。
M堂さん、歩希書房さん、古書柳さん、固有の鼻歌さん。古本好きならピンとくる方々ですね。そのひとたちに古本は任せようと、いつもながらの他力本願です。
でも、「ぽかん編集室」で出るのに、わたしはなにもしなくていいのかと(こういうところ真面目なんですよ)悩んで、「じゃ、記念に冊子でも作るか」と、いつものおもいつき。
で、この4組の古本屋(?)さんには常々豪語していた「読める古書目録」。
いい機会だし、それでも作るか、とおもったのは11月に入ったころ。最初の思惑は目録に掲載する本のコメントを載せるというものでしたが、それは時間的に無理!ということで、散文+目録という2部構成で作りました。着想から1ヶ月もなく作ってしまいました。まだ、出来上がってないですけどね。入稿はしました。
1部の散文は13名の方に書いていただき、2部の目録には4組の出品リストを掲載しました。
目録は後から見返してもそれなりの資料や記録になるように、けれど、見た目は思いっきりポップに仕上げました。(多分、ご老人の目には優しくないかも、、)
何度か催した古本市に4組に出品してもらったことがあり、これをドキュメントとして残したいなあというおもいがあったんですね。
散文は、最初はテーマを掲げて原稿依頼していましたが、評判悪かったのか、立て続けに断られ、途中から「テーマなし」としました。だけど、集まった原稿を並べれば、タイトル『昨日の眺め』になんとはなしに寄り添ってくるから不思議です。
『昨日の眺め』は、敬愛する詩人、天野忠の詩集タイトルからです。
ほんと、いいタイトルですよね。
「テーマなし」で書いてもらった13個の散文がひとつの小さな冊子に並んでいます。てんでバラバラかとおもいきや、隣り合った散文に「やあ、どうも」と言っているようなんですよ。意外としっくり馴染んでいて、連なっています。
13個の散文が並ぶたたずまいを見てくださればうれしくおもいます。
そして、今回、大平高之さんのとてもすてきなイラストを使用させていただきました。
控えめでやさしいのに清々しい強さも持つ大平さんの絵も、この別冊のおおきな魅力です。13個すべての散文に大平さんのイラストを添えました。
テーマのない、これといってつながりのない文章に共通した旋律をあたえてくれました。
と、似たようなことを編集後記にも書いたので、もうこんくらいにしておきますね。
1ヶ月で作ったわりにはいい出来です。いいのが出来ました。
寒い冬の一日、毛布にくるまって読んでください。
追伸1
あんまりに良書を4組が出すので、わたしは初日に恵文社に並んで、古本を買おうとおもってます。ですので、みなさんも初日にぜひ。
追伸2
画像は表紙です。2色あるわけではなく、白色が表紙、グレーは中表紙です。
2013年11月23日
取扱い店
「ぽかん」3号を取り扱っていただいている書店や古書店などです。
※リンクをはる余力なし...。すいません。
【大阪】
【京都】
恵文社一乗寺店/古書善行堂/三月書房/レティシア書房/ガケ書房
【兵庫】
古書店街の草/トンカ書店
【東京】
古書音羽館/タコシェ/古書ほうろう/OLD/NEW SELECT BOOKSHOP 百年
ブックギャラリーポポタム/古書ビビビ/SUNNY BOY BOOKS/本屋B&B
【岡山】
451ブックス/古書五車堂/蟲文庫
※リンクをはる余力なし...。すいません。
【大阪】
ジュンンク堂書店大阪本店/Calo Bookshop&Cafe
【京都】
恵文社一乗寺店/古書善行堂/三月書房/レティシア書房/ガケ書房
【兵庫】
古書店街の草/トンカ書店
【東京】
古書音羽館/タコシェ/古書ほうろう/OLD/NEW SELECT BOOKSHOP 百年
ブックギャラリーポポタム/古書ビビビ/SUNNY BOY BOOKS/本屋B&B
【岡山】
451ブックス/古書五車堂/蟲文庫
【徳島】
uta no tane
uta no tane
【愛知】
ON READING/Books and Crafts SARANA
ON READING/Books and Crafts SARANA
【岩手】
hina
hina
【青森】
THE STABLE
THE STABLE
【通販】
トマソン社
トマソン社
2013年11月13日
ぽかん3号、デザインのこと。
なんだか気がつけば、冬到来といった感じです。
朝に飲む珈琲が美味しい季節ですね。
「ぽかん」3号を少しずつ、書店や古本屋に置いていただいています。
いつものことですが、作りおわってちゃんとした形になると、愛着がわかなくなるのは不思議なことです。飽きっぽいのでしょうね。
さて、3号のデザインのことについてです。
今号も2号までと同様、西田優子さんにお願いしました。本をつくること、だけではなくて、なにかつくったり仕事をする上で、「勘のよさ」というのは大切だなとおもいます。すべて言葉にせずとも、ピンとわかってくれることがいかに物事をスムーズに運ぶか。そして、ピンとくるポイントが近いことも重要です。
今号、「正方形・縦書き」にするというのは最初から決めていましたが、4色刷りにするか、2色刷りにするか、スミ1色にするかは、実際に原稿が集まってから決めました。
本誌の本文組は、書体、大きさ、行送りを何パターンも作ってくれ、より読みやすいものに辿り着きました。気持ち大きめの文字サイズです。
本誌の黒と青の2色刷りがいい、と褒めてくださる方が多いのは嬉しいです。「ブルーデュルコアーズ」という色だそうです。
2色刷りにしようと決めてから、実際にこの青色を選んだのは西田さんです。当初、ゲラはレンガ色と黒の2色で送られてきていて、わたしは「この色、変えてほしい」というタイミングを逃していました。
だけど、原稿が集まって、とくに澤村さんと中野さんの原稿を並んで配置するころには、自然と青色に変わっていました。わたしが何も言わずとも。
「鉛青色」、「青い睡り」、「セルリアンブルー」。
象徴的なことば、だけではなく、2人の原稿には青が溢れていて、本誌は青と黒の2色がいいだろうなあと曖昧なことを考えたら、あたりまえのように、ある日突然、青と黒になっていたわけです。いやー、仕事できますね。ほんと。
澤村さんの写真も、当初は2枚の写真を1ページずつスミ1色で配置していたんですが、それが気に入らず、見開きで1枚の写真をばーんと配置してくれませんか?とお願いしたところ、ばーんと配置するには画質が足りないと言われ、しょぼんとしたのですが、ブルーに加工された写真がばーんと配置されてました、自然に。手品師か。という具合。
ページの空いたところには当初、イラストを配置していましたが、急遽、ウメクサとして「シネマのある風景」をいれよう、となり、迷惑をかけました。(書き手にもデザイナーにも)だけど、いま、ページを捲ると、ウメクサの青色が、またページのアクセントとなって、効果抜群なわけで、わたしの思いつきってば冴えてるな、というか、この青色使った西田さん、さすがだなとおもうわけです。
ノンブルの位置も、ちょっとおかしいなあ、と読者のみなさんはおもったかもしれません。
入稿したときに印刷会社のひとに、「あのー、ノンブルの位置がへんなんですけど」と言われたように、普通はページの隅に配置するもんですよね。
ただ、この中央寄せも意識的です。これがよかったんです。で、もうすこし小さかったのですが、「もうすこし大きくして」と言おう言おうとしてたら、最後、勝手に大きくなっていました。いや、人の心が読めるのでしょうか、西田さん。
と、まあ、まとまりのない文章になりましたが、本作りにおいて、いかに勘の冴えたデザイナーは必要不可欠か、ということが主題でした。
そして、わたしはとても幸運だったわけです。
朝に飲む珈琲が美味しい季節ですね。
「ぽかん」3号を少しずつ、書店や古本屋に置いていただいています。
いつものことですが、作りおわってちゃんとした形になると、愛着がわかなくなるのは不思議なことです。飽きっぽいのでしょうね。
さて、3号のデザインのことについてです。
今号も2号までと同様、西田優子さんにお願いしました。本をつくること、だけではなくて、なにかつくったり仕事をする上で、「勘のよさ」というのは大切だなとおもいます。すべて言葉にせずとも、ピンとわかってくれることがいかに物事をスムーズに運ぶか。そして、ピンとくるポイントが近いことも重要です。
今号、「正方形・縦書き」にするというのは最初から決めていましたが、4色刷りにするか、2色刷りにするか、スミ1色にするかは、実際に原稿が集まってから決めました。
本誌の本文組は、書体、大きさ、行送りを何パターンも作ってくれ、より読みやすいものに辿り着きました。気持ち大きめの文字サイズです。
本誌の黒と青の2色刷りがいい、と褒めてくださる方が多いのは嬉しいです。「ブルーデュルコアーズ」という色だそうです。
2色刷りにしようと決めてから、実際にこの青色を選んだのは西田さんです。当初、ゲラはレンガ色と黒の2色で送られてきていて、わたしは「この色、変えてほしい」というタイミングを逃していました。
だけど、原稿が集まって、とくに澤村さんと中野さんの原稿を並んで配置するころには、自然と青色に変わっていました。わたしが何も言わずとも。
「鉛青色」、「青い睡り」、「セルリアンブルー」。
象徴的なことば、だけではなく、2人の原稿には青が溢れていて、本誌は青と黒の2色がいいだろうなあと曖昧なことを考えたら、あたりまえのように、ある日突然、青と黒になっていたわけです。いやー、仕事できますね。ほんと。
澤村さんの写真も、当初は2枚の写真を1ページずつスミ1色で配置していたんですが、それが気に入らず、見開きで1枚の写真をばーんと配置してくれませんか?とお願いしたところ、ばーんと配置するには画質が足りないと言われ、しょぼんとしたのですが、ブルーに加工された写真がばーんと配置されてました、自然に。手品師か。という具合。
ページの空いたところには当初、イラストを配置していましたが、急遽、ウメクサとして「シネマのある風景」をいれよう、となり、迷惑をかけました。(書き手にもデザイナーにも)だけど、いま、ページを捲ると、ウメクサの青色が、またページのアクセントとなって、効果抜群なわけで、わたしの思いつきってば冴えてるな、というか、この青色使った西田さん、さすがだなとおもうわけです。
ノンブルの位置も、ちょっとおかしいなあ、と読者のみなさんはおもったかもしれません。
入稿したときに印刷会社のひとに、「あのー、ノンブルの位置がへんなんですけど」と言われたように、普通はページの隅に配置するもんですよね。
ただ、この中央寄せも意識的です。これがよかったんです。で、もうすこし小さかったのですが、「もうすこし大きくして」と言おう言おうとしてたら、最後、勝手に大きくなっていました。いや、人の心が読めるのでしょうか、西田さん。
と、まあ、まとまりのない文章になりましたが、本作りにおいて、いかに勘の冴えたデザイナーは必要不可欠か、ということが主題でした。
そして、わたしはとても幸運だったわけです。
2013年10月29日
2013年10月20日
ちょうちょぼっこ全員集合
それにしても雨がよく降りますね。
昨日は、家にちょうちょぼっこ3人(ごうちゃん、杏さん、つぎちゃん)が集まって、「ぽかん」3号に検印紙を貼ってくれました。
わたしたちはものすごく仲がいいわけではありませんが、仲が悪いわけでもないのです。
杏さんは相変わらずまともとで、雨が降ったから畑作業ができない、ということで、訪れてくれました。天然生活的スローライフ実践中です。
杏さんの子ども、あおいさんは静かな子で、ひとりでご飯を食べ、お昼寝し、絵本を読んでいました。こんなにぎゃーぎゃー言わない1才児(2月で2才)っているんですね。驚愕です。
次ちゃんは相変わらず忙しく、1時間ほど手伝ってくれた後、フィンランド語教室に行くといい、水玉のレインコートに水玉の鞄という奇天烈なスタイルで出かけて行き、また帰って来たかとおもうと、大叔父さんの法事に、ということで去っていきました。
杏さんが「フィンランド語、喋ってみてよ」と意地悪な調子で言ったら、なんか小さな声で呪文を唱えていたのですが、それがフィンランド語だったようです。
「日本語もうまく話せないのに。」これまた意地悪な発言は、杏さんです。ついでに言うと、「サリバン先生みたいな格好してるね。髪型もね。」という意地悪発言もありました。
そんななか、やはり、世の中からだいぶずれてしまったのはごうちゃんとわたしが双璧でして、でも、無職、ということでごうちゃんのずれっぷりは凄まじいです。
最近、パーマをかけ、おおきなヘアバンド(どう見ても100均)をしているのですが、それが、長年デビューできない、漫画家のアシさんにしか見えないのです。
しかも、夕方迄手伝える。というので、何があるの?と聞いたら、「秋祭り」という回答で、予定が秋祭りって、なんやの。という感じ。
そうして、わたしは誰にも頼まれないのに、冊子を作り、週末毎にいろんなひとを自宅に呼んでは、判子を押してもらったり、貼ってもらったりと、「無職、予定は秋祭り」のひとに「あんた、何やってるの」と言えない状況です。
みんなで、作業していると、昔、ちょうちょぼっこで作った冊子『本箱』のことをおもいだしました。
きょうは雨の日曜日。
雨が降るなか、会社の若い娘たちが手伝いに来てくれます。
先日、仕事終わりに飲みに誘われたのですが、
「家に本が1,000冊届くので、きょうは早く帰らないといけないんです」と発言したところ、「真治さん、なにやってるの」という雰囲気になりました。そうしたところ、同じ歳の同僚が、「あのひと、アンダーグラウンドでいろいろやってるから」と説明していました。端的でまあまあ間違っていない説明!さすが!
アンダーグラウンドって。なんだか、地下でミサイル作ってるみたいじゃないですか。
まあ、手伝ってくれるひとがいるってことはすごいですよね。
こんなこと、普通したくないですよ。
みなさん、どうもありがとう。
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